現地時間8日、第71回カンヌ国際映画祭でオープニングセレモニーが行われ、コンペティション部門の審査員長を務める女優のケイト・ブランシェットと、功労賞(黄金の馬車賞)の受賞が決まっているマーティン・スコセッシ監督が肩を組んで、にこやかに開幕を宣言した。
今年のカンヌ映画祭は、セクハラや男女差別撲滅を訴える「#MeToo」や「#TimesUp」運動が起こってから初の開催となっただけに、セレモニーに先んじて行われた審査員会見では女性審査員長のケイトに質問が集中。9名の審査員団の過半数が女性であることを問われると、「審査員長が女性で、審査員は男女4人ずつ。問題があるかしら?」とさらりと応じ、映画祭側には性別および人種のバランスが取れた審査員団にしてほしいと要望したと明かした。
コンペティション部門全21作品のうち、女性監督作が3作しかないことについては、「以前と比べて今の映画祭の作品選出チームには、女性が増えたと聞いています。今後、選ばれる映画も変わっていくでしょう。でも、こうしたことは一夜では変わらない。もともと監督にとってカンヌに選ばれるというのはとても大変なこと。コンペティション部門でもっと女性監督作を見たいか? それは、もちろん。将来、それが現実になると思うか? そう願うわ。でも、今年わたしたち(審査員団)がやることは、目の前にあることに取り組むことなの」と回答した。
ケイトは最高賞パルムドールには「演技、演出、撮影、脚本といった全てを満たした映画。審査員だけでなく、観客の心にずっと残るもの」を選びたいといい、ジャン=リュック・ゴダールという巨匠の新作も出品されているが「難しいけれど、誰が作ったか、そして彼らが過去に成し遂げたことは忘れ、現在だけを評価する」とのこと。女性監督作についても「彼女たちは女性だから選ばれたのではなく、作品のクオリティーで選ばれた。わたしたちも、彼女たちをフィルムメイカーとして評価するでしょう」ときっぱり語った。
今年のコンペティション部門には、日本からも是枝裕和監督の『万引き家族』と濱口竜介監督の『寝ても覚めても』が選出されている。パルムドールをはじめとした各賞は映画祭最終日となる5月19日に発表される。(編集部・市川遥)
第71回カンヌ国際映画祭は現地時間19日まで開催
(出典 news.nicovideo.jp)
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